iPhone/iPadなどのiOSデバイスで利用できるエフェクター・アプリ、ギターアンプシミュレーター・アプリについて、厳選15アプリを紹介。モバイルDTMerやDJ向けのものから、ギタリスト/ボーカリスト向けのものまで紹介しています。
ドイツのベルリンにオフィスを構えるSugar Bytesは最先端のEDM系エフェクトを手軽に入手し簡単に使いたいという人にはオススメなアプリを生み出しています。特にブロステップやダブステップ、グリッチホップ系の音楽制作には相性がいいでしょう。
総評としては、既に音楽作りをやっていて、大胆な効果のエフェクタを求めている人やEDM系のミュージシャン、トラックメイカー・DJには是非ともオススメのアプリとなっています。
Effectrix は iTunes 内のお気に入りの曲を読み込み、シーケンサーやエフェクト、ループ等の機能を使って変化に富んだサウンドを手軽で簡単につくりだすことが可能な「マルチエフェクトシーケンサー」で、同PCソフトウェアのアプリ版です。縦に並んだ14種類のエフェクトは32ステップ・シーケンサーの上を時間軸に対して好きな長さだけONにできるという、主にグリッチ系エフェクトが得意で、ブレイクビーツの作成やトリッキーなプレイに最適なアプリです。
Turnado for iPad は、Effectrix と同様に Sugar Bytes がリリースする windows 用ソフトウェア「Turnado」iPadに移植したアプリ。24種類のエフェクト(ディレイx4、フランジャー、フェイザー、リバーブx2、リングモジュレーター、ボコーダー、ビットクラッシャー、スタッター、グリッチ系エフェクト…等)を8つのスロットに挿入し、感覚的なコントロールでプレイができます。
ディレイだけで4種類、リバーブも2種類と、空間系エフェクトやモジュレーション系エフェクトが充実していますね。もちろんスタッター/グリッチと攻撃的なサウンドを作り出すエフェクトもしっかり搭載されています。
レコーディング機能によって録音にも対応、iPad専用の機能として4つのX/Yパッド及びオーディオプレイヤーを搭載、iTunesへのシェア/Audiobus/AudioCopy/CoreMIDI/MIDIクロックなどに対応。リズムトラックだけでなくボーカルにも使うことができます。
WOW Filterboxは、ダブステップやEDMに最適なフィルター系エフェクトが充実しているiPad専用のエフェクト・アプリ。ウォブル・サウンドやトーキングモジュレーター効果といったクラブで主流なエフェクトを搭載、それらにディストーションをかける、ステップ・シーケンサーでステップ単位でエフェクトのかかり具合を調節できるなど、複雑にプログラムされた特殊なエフェクト効果を作り出すことが可能となっています。
Sugar Bytes以外のデベロッパーからリリースされる、ダンス/エレクトロ・トラック系の制作に適したエフェクト系アプリを紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=sD6B9IVTFHs
FLUX:FX は、歪み・モジュレーション・空間系・ビットクラッシュ・EQ・コンプなど、考えられるあらゆる種類のエフェクト全30種類以上を搭載したiPad専用マルチエフェクト・アプリ。オーバードライブ/ディストーション/ファズとギタリストが使うようなエフェクトから、フィルター/スタッター/リバースなどDJプレイで使うようなものまで、カオスパッドのようなX/Yパッドのコントロールによるシンプルなタッチ操作で直感的に使用することができます。
DFXは、シンプルでデザインが美しいドラムマシン・アプリ「DM1」の開発で知られる Fingerlab によるiPad専用マルチエフェクト・アプリ。エフェクトはディレイ、リバーブ、フィルター、フェイズ、モジュレーション、ディストーション、ボイスFX、パンなど全35種類。
4つのトラックパッドを使ったエフェクト・コントロールが特徴で、最大4種類のエフェクトのリアルタイム操作が可能。ここまで紹介したエフェクト系アプリの中では最もリーズナブルな価格で手に入れやすいモデルとなっています。
SquashIt multiband distortionは、マルチバンド仕様のディストーション・アプリ。入力音は3つの帯域に分けられ、それぞれ個別にディストーションをかけていくことができます。ここまで紹介した中でも最もシンプルに扱えるエフェクト・アプリとなっていますね。楽曲を歪ませたい/ディストーションをかけるだけでいいんだ、という人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
ここまでマルチエフェクト系アプリが多く登場しましたが、次の4つはボーカルに使うことを想定されたアプリとなっています。
R-MIX Tab は Roland 社がリリースするiPadアプリで、音源を周波数・定位・音量の3つのパラメーターで分析、可視化されたグラフィックをタップ操作することで様々な効果が得られるというiPad専用の新感覚アプリです。
上の動画を見ればR-MIX Tabでどんなことができるのかがすぐにわかると想います。
ボーカルだけを取り出す/ギターだけを聞こえるようにする/リズムトラックとベースだけを強調する…などなど、耳コピ補助的な使い方はもちろん、即席のカラオケ音源を用意するなど、様々な使い方がありそうですね。
VocaLive は シンガーソングライターのためのiPad専用ボーカル・エフェクト・アプリ。ピッチ修正、クワイア(3声)・ハーモナイザー/ボイス・ダブラー/ボイス・モーフィング/ディエッサーといったボーカル専用の5つのエフェクトの他、リバーブ/EQ/コンプレッサー/ディレイ/エンベロープ・フィルター/コーラス/フェイザーの7種類のエフェクトを最大4つまで組み合わせて、本格的なボーカルトラックの構築が可能となったアプリです。
低レイテンシー設計、リアルタイム操作が可能ということで、ステージパフォーマンスでの使用も柔軟に対応。iRig PROなどのファンタム電源を搭載したiOSオーディオインターフェイスを繋ぐことで、コンデンサーマイクを使用した本格的なモバイル・ボーカルレコーディングが行えるのもVocaLiveの魅力ですね。
Voice Jam StudioはiPhone/iPad対応のボーカル・エフェクト・アプリ。エフェクトはなんと50種類も搭載、最大8分までのループが可能なステレオ・ループ・トラックを4つも搭載するなど、エフェクト機能が充実しています。Inter-App Audio、AudioCopy、Audiobusなど近年のモバイルレコーディングに求められる機能をしっかりと装備、ボーカルエフェクトの中ではリーズナブルな価格も魅力です。
Harmony Voiceは、入力したボーカルトラックに対して4声のハーモナイザー/ピッチシフトをリアルタイムにかけることができるiPhone/iPad対応アプリ。ハーモニーは自動生成も可能ですが、鍵盤でコードを指定してハモらせる手動モードも搭載。ボーカルトラックからコードに対して正確なハモりを作り出すことが可能となっています。エフェクトはリバーブ/コーラス/ディレイと3種類。
ここからはギタリストに最適な、ギターアンプ・エフェクターをシミュレートしたアプリを紹介していきます。ギタリストやベーシストは要チェック!!
IK Mulitimedia社が提供するAmplitubeは、ギタリストのためのiPhone/iPad対応エフェクト・アンプシミュレーター・アプリ。シリーズも多く、iOS用ギターアンプ・エフェクト・アプリとしてはポピュラーなモデルです。最新版の「4」ではパソコン・ソフトウェア版Amplitubeと同様の音声処理アルゴリズムを採用し、音質が高められています。
AmpliTube for iPadのスクリーンショット
通常版Amplitubeでは6種類のエフェクト/5種類のギターアンプ/5種類のキャビネット/2種類のキャビネットマイクを組み合わせて音作りが可能、アプリ内課金によって著名ブランドのモデリング・ギアを追加させることができます。まずは無料アプリで試してみると良いでしょう。
AmpliTube FREE for iPad無料
AmpliTube for iPhone
AmpliTube for iPad
AmpliTube Orange for iPadのスクリーンショット
AmpliTube Orangeは英国ギターアンプ・ブランド「Orange」のギターアンプを公式にモデリングしたアプリ。
AmpliTube Orange for iPhone
AmpliTube Orange for iPad
AmpliTube Fender for iPadのスクリーンショット
AmpliTube Fenderは、言わずと知れたフェンダー・アンプを公式にモデリングしたアプリとなっています。
AmpliTube Fender for iPhone
AmpliTube Fender for iPad
JamUp Pro XTは、ギター/ベース用のアンプ・エフェクト・アプリ。16種類のエフェクト/6種類のギターアンプに加えて、チューナー/メトロノーム/フレーズサンプラーが最初から搭載。デフォルトのAmplitubeよりも豪華な機能となっています。JamUp Pro XTをリリースするPositive Gridからは、ギターアンプについてよりこだわったセッティングが可能な「BIAS」(後述)も登場しています。
BIASはエフェクターは搭載していませんが、36種類のギターアンプをモデリングしているうえに、真空管/プリアンプ/トランス/トーン・スタック/キャビネット/マイクの切り替え/真空管のバイアスといったチューブアンプならではの挙動までを忠実に再現するというマニアックなギターアンプ・デザイナー・アプリ。1940年代のビンテージ・アンプのモデリングからジャズ・ブルース・メタルに至るまで、あらゆるギタートーンを手に入れることができます。
上述のエフェクト・アプリ「JamUp Pro XT」と連携して、アンプサウンドにマルチエフェクターを加えるなど、2つのアプリでギターの音作りが完結するように作られています。
https://www.youtube.com/watch?v=hm_mbFC9LJ8
Yonac ToneStackは、20種類のエフェクト/6種類のギターアンプに加えて、8トラックレコーダー・チューナー・メトロノームを搭載したギタリストのためのオールインワン・アプリ。本アプリ1台で(課金なしで)ギターの録音までが可能、2台のアンプ・サウンドをミックスする「ABYユニット」を搭載するなど、他ギター系アプリに比べて1台でできる範囲が広いのが特徴です。
最後に紹介する「Flying Haggis」はiPad専用ギターアンプ・アプリ。ポップな見た目とシンプルな操作で音作りが行えます。
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