メーカー | PreSonus |
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カテゴリ | Dawソフト |
発売時期 | 2015年6月 |
価格 | 15,768〜 円 (税込) ※1 |
シングル画面での操作が可能なコンパクトなDawソフト。バージョン「3」ではこれまでのDawソフトにはなかった斬新な機能を盛り込んだモデルです。通常盤の Studio One Artist、プロ版の Studio One Professional、廉価版の Studio One Prime と3つのラインナップが存在します。
プラグインはサンプラー「Presence XT」、ポリフォニックシンセ「Mai Tai」、ボーカルピッチ補正ソフト「Melodyne」、ソフトシンセやギターアンプシュミレーターやサンプラーが統合されている「KOMPLETE ELEMENTS」が使用可能に。グルーブ抽出からのクォンタイズ指定、アルバム制作向けのマスタリング機能なども充実しています。
まずはStudio One 3の新機能を見ていきましょう。今回のバージョンアップでは以下の点が追加されました。
・ユーザーインターフェイスをグレー調に刷新
・Retina Displayといった高DPIディスプレイに完全対応
・タッチパネル操作に対応(Windows/OS X)
・アレンジトラック/スクラッチパッド機能の追加(Professional限定)
・オーディオストレッチエンジンにélastique Pro 3.0を採用
・より検索しやすくなったブラウザ3.0を搭載
・ユーザーが自由に定義できるマクロコントロール機能を搭載
・ユーザー待望のステップレコーディング機能を搭載
・10000を超える豊富なループを付属
・拡張FXチェーン/Multi Instrument機能を搭載(Professional限定)
・15Gの大容量を誇るソフトウェアサンプラー、Presence XTを付属
・新開発のポリフォニックシンセサイザー、Mai Taiを付属
・iPad専用アプリStudio One Remote for iPadによるリモート操作(Professional限定)
・ユーザーマニュアルを完全統合
この他にも様々な要素が追加されており、その数は100を超えるとのこと。
今回のバージョンアップの目玉はアレンジトラック/スクラッチパッドと、拡張FXチェーン/Multi Instrumentと言われており、どれもありそうでなかった画期的な機能です。当記事では、これらの目玉機能について主に触れていきます。
https://www.youtube.com/watch?t=16&v=Lgl7cm5YdE8
今回のバージョンアップで追加された「アレンジトラック」は、各トラックのオーディオデータやMIDIデータを、セクション毎(Aメロなど)に管理する専用のトラックです。アレンジトラックはソングトラック上部に表示されます。
例えば、オリジナル曲を製作している段階で、Aメロのセクションが完成したとします。
その際、アレンジトラック内でAメロの範囲を設定すると、「アレンジトラック専用の音楽クリップ」が作成されます。ちなみに、作成されたクリップの名称は変更することが可能です。
その1つのクリップを左クリックで掴んだまま移動させる、あるいはコピペすると、「範囲内の全てのオーディオデータやMIDIデータが移動」するようになります。例えば、2番のAメロを作成する場合、アレンジトラック内のクリップを指定箇所にドラッグ&ドロップするだけで、簡単にAメロを複製することが可能です。従来のように、必要なデータを細かく範囲指定してまとめてコピペする作業はもう必要ありません。
上記のアレンジトラックと併用することで真価を発揮するのが「スクラッチパッド機能」です。インターフェース内にあるスクラッチパッドのアイコンをオンにすると、タイムラインに垂直の分割線が現れます。左側が既存のタイムライン、右側がスクラッチパッドのタイムラインとなります。
例えば、製作している楽曲のサビセクション(左側)を右側のタイムラインにそのままコピペすることで、「別バージョンのサビ」を試すことができるようになります。その際、スクラッチパッド上(右側)のアレンジを変更しても、既存のアレンジ(左側)には影響が出ません。好きなだけ手を加え、自分の理想に合ったアレンジを突き詰めることが可能となる訳です。
もし右側のタイムラインにあるアレンジが気にいった場合、左側にそのままドラッグ&ドロップするだけで、新しいアレンジを適用することができます。セクション単位のデータ移動は、アレンジトラック内のクリップを利用すると便利です。
中級~上級者向けの内容となりますが、Studio One 3には「拡張FXチェーン」と「Multi Instrument」という画期的な機能が搭載されています。
拡張FXチェーンおよびMulti Instrumentは、複数のプラグイン/インストゥルメンタルを「1つにまとめて使用できる機能」になります。インターフェース上に表示される専用のマップに、各プラグインやインストゥルメンタルをドラッグ&ドロップして使用します。
例えば、拡張FXチェーンの場合、1つのトラックにあるオーディオデータの周波数を5つにスプリットし、「各バンド個別にプラグインをかける」といったことが可能になります。
バンド別に処理するプラグインといえばマルチバンドコンプレッサー/リミッターが定番ですが、この機能を活用することで、自力マルチバンド処理ができるようになります。
もちろんサードパーティ製のプラグインにも対応しているため、3つのバンドにWaves社のV-Compを、残り2つのバンドにCLA-76を、といったユニークな使い方もできます。各プラグインの個性を生かした処理ができるのも嬉しいところです。
また、Multi Instrument機能を活用することで、1つのトラックで「ピアノとシンセサイザーを同時に鳴らす」といったこと可能となります。様々な音源を組み合わせることで、誰も聴いたことがないような、異次元のサウンドを作り出すができます。アイデア次第で、自分だけのオリジナル音源を作成することができる機能です。
今回のバージョンアップでは、新開発のエンジンを採用した「Presence XT」、「Mai Tai」といった2つのインストゥルメンタルを付属しています。前者はソフトウェアサンプラー、後者はシンセサイザーとなります。
Presence XTは高品位なサンプルを内蔵しているサンプラーで、様々な楽曲ジャンルに合った音色が用意されています。データ量は驚異の「15GB」で、DAWに付属されているインストゥルメンタルとは思えない、大容量かつ高音質を実現しています。
一方、Mai Taiはアナログモデリングタイプのポリフォニックシンセサイザーで、MoogやOberheimなどのヴィンテージサウンドはもちろん、現代シンセのモダンなサウンドまで、幅広い音色を収録しています。搭載しているフィルターの種類も多く、優等生的なシンセサイザーと言えるでしょう。
いかがだったでしょうか。ここまでStudio One 3の新機能や変更点を紹介してきましたが、Studio One 2から大幅に進化していることがよく分かります。
今回のバージョンアップで特に目立つのが「機能面」で、ユーザーをサポートする強力な機能が多数搭載されました。中でもアレンジトラック/スクラッチパッドは、「楽曲のクオリティを押し上げる画期的な機能」です。
楽曲製作におけるトライ&エラーは、オリジナル曲のクオリティを高めるために必要不可欠な作業です。それを簡単かつ気軽に行えるアレンジトラック/スクラッチパッドはとても魅力的な機能と言えるのではないでしょうか。
「買うべきか?」という質問に対しては、ハッキリと「YES」と答えることができます。今回発表されたStudio One 3は、次世代DAWの名を飾るに相応しい仕上がりになっていますね!
https://www.youtube.com/watch?t=36&v=QgBof9JM5nU
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